Bull-2615（ESC-2615 R3） by Joseph Bonomi No-T8 コレクター間で“ボノミ”の愛称で知られるこの試作貨はロイヤルミントで製造された物ではありませんが、ロンドン貨幣協会の1837年の議事録によるとボノミ氏により「ヴィクトリア女王の肖像を永続させる方法」として政府に提案されました。陰刻による流通貨の製造アイデアは斬新的であったものの、実用にはメンテナンスや費用などの問題があり1908年にアメリカの2種の金貨の発行までに時間を要しました。建築家の家庭に生まれ彫刻家やエジプト学者と様々な職種に就いたボノミ氏のデザインとして肖像面は髪飾りや髪留めに、また古代エジプトに倣って天空を表す星を周囲に配する事でエジプトとイギリスのモチーフの融合をはかっています。ブリタニア像においては古代ギリシャ・ローマの要素を統合しようとの試みが表れています。結局この案は上申されること無く未完成の図案と鋳型は放置されておりましたが、1893年頃にピンチメダリスト社により様々な素材でシリアルナンバーを刻印し提供されたそうですが、どれもが残存数は極めて少なくイギリスコインコレクターが憧れる一品であるのは間違い様はありません。 ⓇⓇ
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