Description
NGC-PF61 HONG KONG 香港 半圓(1/2Dollar) 1868 Proof AU
KM-8 ヴィクトリア Reeded edge ギザ縁,Proof Only issue プルーフしか製造されなかった年号で、民間では本品以外にはあと一品しか知られていない 香港コイン中、最高の難獲品ⓇⓇⓇⓇ “The coins of the British Commonwealth of Nations: Part2 Asian Territories“ by F.Pridmore (プリッドモア著「英連邦諸国のコイン: 第2巻 アジア各国」)は1965年に刊行された本ではあるが、現在でも英連邦の植民地時代の参考書としてはバイブル的存在である。その「香港」の項には他国同様、一般的な貨幣の発行年度とともにプルーフ貨の有無、1862〜67年のロンドン、香港で製造された多様な試作貨などが網羅され、今や二度と収集不能となった多様な香港貨幣のバラエティを見ることができる。 その中で1868年銘のプルーフ銀貨の存在有無に関する記述は、20セント銀貨のみNo19Aとして記載があるが、5,10セント、1ドル銀貨のプルーフにはない。50セント銀貨1868年銘に至っては脚注で「いくつかの報告で存在を言及されているが未確認」とされ、年銘にナンバーすら与えられていない。 実はその後、1995年5月のスーペリアによるグッドマンセールでLot836として1/2Dollar 1868 Proofが「おそらく博物館にもう1枚存在するが民間で入手できる唯一品」として出品され、当時イギリス・中国関連の少額貨幣としてはレコードプライス$109.250で落札された。 そして真打ちとして遂に2007年9月27日スピンク(ロンドン)セールLot236として「香港唯一のプルーフセット1868(1ドル、50,20,10,5セントの5種銀貨と変形オリジナルケース)」が出品され90000ポンド(当時のレートでUS$182,149、EUR128,707)で落札された。 ところで、このロットには次のような説明があった。 「当時香港で仕事をしていた一家に100年以上保管されていた、この全く他に類を見ない香港銀貨のプルーフセットは最近になってようやく日の目を見た。今日まで、このようなセットが記録され、実際に存在するとは誰も思っていなかった。」 この記述から、おそらく造幣局の閉局にあたり、最も尽力したごく僅かな関係者に贈られた品と推測される。 その後、個別のプルーフ貨の新発見もない中このセットは解体され、今回、5種のうち3種が日本に現れ、当社オークションに登場した。つまり、現在でも1868年銘の香港銀貨は、「半圓」は2枚のプルーフ貨のみ、他の額面は数多く現存する通常貨を除くとプルーフ貨は「貳毫」が2枚、「五仙、壹毫、壹圓」は1枚のみしか確認されていないということである。 今回、おそらく二度と会えない東洋の至宝を皆様にご紹介するチャンスを得たことを誇りとするところです。 Proof AU