No. : | 57948 |
---|---|
Classification : | [日本貨幣 Japanese currency][試鋳貨] |
Auction company : | オークション•ワールド |
Bid price : | 25,484,000 JPY 23,000,000 (Excluding consumption tax and fee) |
Closing date : | 2016-01-31 |
Explain : | カタログ記載なし Catalog un-listed 製造2枚 本品は未洗の為、汚れの付着が視認できる。その為低いグレーディングの評価になっているものの、あらゆる文献や研究からシカゴ万博用に特注された見本用プルーフ打ちに間違いはない。“MS“評価になっているが、汚れは除去可能であり新しい所有者はその道を選ぶかもしれない。とりあえずの状態評価は“Proof UNC”としたい。2枚製造されたもう1枚は未確認。 ※本品は、1893年にアメリカのシカゴ州で行われたコロンブス記念万国博覧会に、日本の造幣局から出品された貨幣です。造幣局の記録によれば、同万博に出品された明治25年銘の貨幣は20円金貨から1厘銅貨まで15種類が各2枚ずつ(おそらく万博で表裏を同時に展示する目的のため)鋳造されたということですが、本品はその中の大変貴重な1枚です。当時の日本で流通していた5銭貨幣は菊5銭白銅貨でしたが、造幣局が出品した貨幣の中には、なぜか当時はすでに発行が中止されていた龍5銭銀貨が加えられていました。研究者はその理由を、本品に掘られた非常に緻密な竜図によって、日本の造幣技術の素晴らしさを世界にアピールする狙いがあったためだと見ています。なぜならば、縮彫機のなかった当時は原寸で彫金をしていたので、小さい貨幣ほど極印造りが難しかったからです。そして、その裏付けとして、同万博に出品された20円・10円などの金貨の竜図は明治9年・10年・13年の金貨と全く同じ竜図が使用されているのに対して、本品では新規の竜図が彫られていることを挙げています。また、研究者はこの素晴らしく精巧な竜図を彫った人物は、若い頃に後藤宗家の大判座で修行し、幕末から明治にかけての名彫金師・後藤一乗の弟子でもあった後藤半左衛門であろうと推定しています。その半左衛門が造幣寮に入り、さらに加納夏雄より彫金技術を伝授されたことで究極の技を会得できたと見られています。シカゴ万博出品用の見本貨幣は、万博終了後に1セットが日本の造幣局に返却されたと考えられています。本品は、戦後アメリカのノーマン・ジェイコブス博士が造幣局と交渉してそのセットの中から譲り受けたものだと言われています。そのために、造幣局の造幣博物館に展示されている「シカゴ博覧会出品貨幣」の中には明治25年銘の竜5銭銀貨は存在していません。また、これらの見本貨幣には同種の貨幣が2枚見られないことからもう1セットはアメリカ国内の博物館などに保管されていると見られます。したがって、本品は製造枚数2枚で希少度が最高ランクのR7に間違いないだけではなく、その2枚の中で唯一入手が可能な品だと考えられます。以上のような多くの理由で、本品は研究者から日本近代貨幣の最高峰と絶賛されている逸品です。なお、本品は2011年にアメリカで開催されたヘリテージ社のジェイコブス・オークションにおいて、手数料込$276,000で落札されています。 (Ex. Heritage社Dr.Norman Jacobs collection Sep.8.2011 LOT 24307 US$276000) |